「杏」と頻繁にメールのやり取りをしている。
多分…というか、
きっとあたしが恋をしているから。
大っぴらに言えない恋の話は、
「杏」にしか出来ないのだ。
あたしがずっと気になっていた、
「杏」の年下の彼のコトを訊いてみた。
片思いから始まった「杏」のネット恋愛は、
いつの間にか成就しリアルな恋愛に発展していて…
そして崩壊しかけていると電話で聞いていたから。
悠:『そう言えば、年下の彼ってどうなったの?』
杏:『…もう忘れたよ、あんな奴。』
悠:『そうなんだ。』
杏:『何でも他人や環境のせいにする男って駄目だわ。』
年下の彼の「杏」への依存は、
傍から見ているあたしにも明らかだった。
始めから全てを手に入れることが出来ない恋なのに、
彼はそれを忘れてしまったかのようだったなぁと、
「杏」のメールを読みながら思い出していた。
杏:『一番許せなかったのは、仕事しなくなったこと。』
悠:『転職とかじゃなくて?』
杏:『働くこと自体が厭みたい。
駄目だわ、私…そういうのって。』
あの上司が厭、あの先輩が厭、あの仕事が厭…と
色々と愚痴っていた彼を励ましているうちに、
「杏」は気づいてしまったのだ。
杏:『あぁ、仕事したくないだけなんだってさ。』
向上心のない男に魅力を感じないのは、
彼女の我儘なのでしょうか。
あたしも野心家とまではいかなくても、
何もしないよりガツガツしてる男の方が良い。
悠:『…それ、あたしもダメだわ。』
別れは彼女から。
彼にとっては青天の霹靂。
泣いて縋られたらしいけど、
「杏」の中では彼はもう男じゃないのだ。
杏:『奴のどこが好きだったんだろうなー…』
答えを探してみる?
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